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「秋田のこくほ」 (2010年10月)

表紙
<表紙>

目次


房住山登山/三種町
CONTENTS

  保険者紹介 医療費適正化〜できることを一歩一歩〜 三種町


  連合会のうごき


  保健対策シリーズ No.338 健康な時にこそ健康づくりの意識づけを
  美郷町福祉保健課



  生活習慣病予防の食事 (社)秋田県栄養士会
  “酢”を上手に取り入れよう 


  こくほ随想
  〜次の患者を出さない、最適健康レシピの果実〜
  平林規好


  メタボ予防特集「メタボと歯の健康」
  〜歯周病にはどう対処したらよいのだろう〜         
  木村歯科医院 院長 木村貞昭



  きらめく国保スタッフ・連合会の日誌から

保健対策シリーズ
<338>
 
健康な時にこそ健康づくりの意識づけを
 

【美郷町福祉保健課】 

 美郷町では、特定健診の事後指導として受診者全員を対象にした「健診結果説明会」と、特定保健指導として「メタボリック退治大作戦!」を実施しています。今回は「健診結果説明会」についてご紹介します。
 
1年のスタートはセット健診から

 美郷町では、毎年4〜5月にがん検診や基本健診を一緒に実施する早朝セット健診を実施しています。早朝に実施するため、就労者が受けやすく、毎年健診の時期が固定されることにより健診時期がわかりやすいなど、住民からも大変好評です。
 ところが、国の医療制度改革により、平成20年度から保険者ごとに実施する特定健診が実施され、国保以外の保険者の準備が間に合わず、1度で済む健診が出来なくなり、それががん検診の受診率を低下させるきっかけになってきています。

 
特定保健指導にこだわらない保健活動

 20年度は、特定健診及び健康診査受診者全員を対象に、基本健診から特定健診に変わったことや健診結果の見方を説明しました。「健診結果説明会」の通知は健診会場で受診者一人一人に「今日の健診結果は○月○日に何時から○○センターで説明してお渡しします」と手渡します。実施するにあたって健診結果が届くのが予定より遅れたりしないか、説明会までに準備が間に合うかとヒヤヒヤドキドキしながら行っているのが実情です。
 会場は旧町村ごとの保健センターやコミュニテイセンターで、日中都合の悪い方のために、夜間や日曜日も実施しています。
 集団で健診結果票の見方や地域包括支援センターの生活機能評価の説明、栄養指導を行い、その後個別に健康相談を行いました。農繁期の雨の日などは夜10時過ぎまでかかったほどです。過去の基本健診の結果でも血糖値やコレステロールの高い人が多く、糖分のある飲み物を摂取している人が多いため、栄養指導は野菜を多く摂る工夫や飲み物に含まれる砂糖の量を提示したりしています。その結果、2年目には「毎日飲んでいた缶コーヒーをお茶に変えたら血糖値が下がった」という人や、逆に「缶コーヒーを箱で買ってあると、ついつい1本どころか3本も飲んで、こんなに太った」など住民自身が教師の役割を果たしてくれるようになりました。また、保健師が行う保健指導は、個別対応から2年目は4〜5人のグループ対応に変えて実施し、メタボリックシンドロームはなぜ危険なのか、生活習慣をふりかえり、食べ過ぎや運動不足を解消するためのヒントをつかんでもらうようにしました。
 今年度は、さらに自分の健診結果をレーダーチャートに記入して、どの項目に異常が多かったかを見てもらうため、「あなたのからだの『今』を見てみましょう」と複写にした用紙を作りました。参加者からは、「健診結果票の数字だけ見てもピンと来なかったけどとてもわかりやすい」という声が多く、何が原因でそうなったか、自分で今できることは何か、考えるという行動がスムーズに出来たようです。
 
つながる保健活動を

 特定保健指導については、今年度は3年目という中間の時期でもあり、各市町村でさまざまな工夫を凝らして実施されていることと思います。当町でも対象者が参加しやすいと思うような通知や夜のコースを設定するなど、いろいろ試みてみましたが、予想以上に参加者は少ない状況でした。確かに参加者にとっては効果があり、お互い励みになる集団指導の良さはありますが、今後は集団のみでなく個別対応も取り入れていく必要がありそうです。
 一方で、「健診結果説明会」は半数近い参集率で、前年に比べて行動変容が見られた人も多くおりました。しかし、評価まで至らず、特定保健指導の実施率につながらなかったことから、今年度は「動機付け支援」該当者には半年後の評価が出来るように継続して実施していく予定です。また、参加者の多くは「情報提供」該当者ですが、この人たちが健康の大切さに気づき、生活習慣を見直し実践することが、ひいてはメタボ予防につながるものと期待して、地道に継続していきたいと考えております。




保険者紹介 三種町

保険者紹介


【房住山登山】
 房住山は標高409.2m、出羽丘陵中にそびえる峰。毎年春と秋には登山が行われ、初心者でも容易に登山でき、深山の雰囲気が気軽に味わえる。


医療費適正化 〜できることを一歩一歩〜

 21年度における当町の医療費は、一般療養給付費で前年度比約8%増と非常に大きな伸びでありました。これも一過性の現象だろうとの願いも空しく、今年度の医療費は昨年度をさらに上回る勢いで推移しており、不安を抱えながらの事業運営を強いられています。「高齢化や医療の高度化が進んでいるから…」とただ手をこまねいているだけでなく、医療費適正化のためにできることを一歩一歩進めていこうと、急いで、今年度の事業計画の組み直しを行いました。
 一つが、ジェネリック医薬品の重点広報です。単月の全レセプトを分析し、➀生活習慣病➁外来➂院外処方➃ジェネリック未使用の条件で抽出した536名を対象に、ジェネリックの安全性や経済性などについての重点広報を実施しました。
 また、退職被保険者などの資格確認と医療費振り替えの徹底とあわせて、医療費適正化の視点から、社保被扶養者の資格確認、マル福受給者への後期高齢者障害認定の周知などを8月に行っています。
 今年度はさらに、生活習慣病重症化予防のため要治療者の受診状況の確認と早期受診勧奨や、健診の経年データ提供による健康管理の習慣化の促進などに取り組むこととしています。
 これらの取り組みに関しては、事業効果をきちんと確認し、より効果的な医療費適正化策を探求していきたいと思います。









国保主管課長より一言
健康推進課長 成田 隆道

 国保運営の難しさ

 21年4月に国保担当課に異動になり、その年度の保険税は前年度に比較し、ある程度引き下げた内容で予算編成をしました。しかし、年末高額の医療費が多く発生したことなどにより、3月には基金取り崩しによる補正予算となりました。最終的に21年度の療養給付費(一般分)は前年度対比で8%増の伸率となったのですが、伸率を基に医療費を推計、また基金を取り崩し、財政状況が一変している中にあって、本年度の国保税は引き上げざるを得ない状況でした。
 そのため、医療費の増加傾向が少しでも抑えられることを目標に、ジェネリック医薬品の推奨、特定健診の受診率向上のため、集団健診に加え本年度から個別健診(医療機関方式)を採り入れ、受診機会の拡大を図っています。これらの取り組みが将来的には、医療費抑制につながることを期待しています。









       
メタボ予防特集「メタボと歯の健康」
歯周病にはどう対処したらよいのだろう
 



これまで2回にわたって、「歯周病の症状」と「歯周病とメタボリックシンドロームとの関連」についてお話してきました。最終回となる今回は、歯周病にはどのような対処をしたらよいかお話します。

30歳代に8割、40歳代に9割

 歯周病は30歳代の約8割、40歳代の約9割が罹患しているといわれています。4mm以上の歯周ポケットを有する歯を持っている人は40歳代では約5割に上ります。歯周ポケットとは歯と歯肉との間の溝の深さのことで、健康な人は1〜2mm以内であり、3mm以上は歯周病と診断されます。
 もし全ての歯がある人で歯周ポケットが5mmだとすると、ポケット内面の炎症を起こしている表面積は小さな手のひらの面積に匹敵します。また驚くことに歯の平均寿命は男性で59.8年、女性で58.5年とされ、最も短命な歯は左下第二大臼歯で男性は50.0歳、女性で49.4歳とされています。


自分の状態をきちんと認識する

 歯周病に対処するにはどうしたらよいか。これには歯科医院を受診して、きちんと診断を受けることが重要になります。
 まず、自分の状態がどのようなものなのかを自分でしっかりと把握することが重要です。高血圧症だって糖尿病だって自分勝手な思い込みで特定保健用食品(特保)やサプリメントだけを内服したところでどうにもなりません。
 歯周病は細菌によるものですが、この細菌は常在菌といって口の中から全く取り除くことはできません。ですから、この細菌とよい関係を築いていかなければなりません。
 物理的にその集落(歯石や歯垢)を除去することが必要ですし、麻酔をして歯肉を切開したりすることもあります。抗生物質の内服が必要なこともあるかと思います。
 でも、これは治療のほんの一部に過ぎません。


歯科医師とともに定期的な管理を

 口の中の細菌を全くゼロにできない以上、汚れを残していれば必ず細菌は増殖してきます。治療が終わっても食事をすれば、必ずどこかに汚れが残ります。それが積もり積もって、悪い状態に逆戻りということになります。さらに、どんなに毛先が細い歯ブラシでもその毛先は歯周ポケットの内部2mm程度しかきれいにできません。自分の歯周組織を健康な状態に維持していくためには、歯科医院でその部分を定期的にきれいにしていく必要があります。歯周病を引き起こす嫌気性菌(酸素が無くても生きていける細菌)は酸素の多い状態にさらされると発育が抑制され、それ以前の旺盛な繁殖力まで回復するには3カ月以上の時間が必要といわれています。最低3カ月に1回は歯周ポケットの中をきれいにして、酸素の多い状態にしておけば、かなり細菌の繁殖は抑制されます。
 また、毎食後の歯磨き、それもある程度時間をかけた歯磨きをすることによりマッサージ効果が期待でき、血液の循環がよくなって酸素の豊富な血液が到達するという二重の効果があります。
 自己管理と歯科医院での定期的な管理が重要になります。


プロフィール

 木村歯科医院 院長 木村貞昭

 昭和57年に岩手医科大学歯学部を卒業、岩手医科大学歯学部第二口腔外科に勤務する。
 昭和61年に雄勝中央病院歯科勤務を経て、昭和63年、湯沢市に木村歯科医院を開設し、現在に至る。










秋田県国民健康保険団体連合会