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「秋田のこくほ」 (2011年10月)

表紙
<表紙>

目次


白瀑神社例大祭/八峰町
CONTENTS

  保険者紹介 八峰町


  連合会のうごき


  保健対策シリーズ No.342
  特定健診・特定保健指導をふりかえって
  東成瀬村民生課



  生活習慣病予防の食事 (社)秋田県栄養士会
  ヘルシーメニューで食物繊維たっぷり!! 


  がん対策特集「がんについて知ろう」
  第3回 生活環境の欧米化とともに増えているがん
  〜前立腺がん〜         
  市立秋田総合病院 副院長 松尾 重樹



  きらめく国保スタッフ・連合会の日誌から

保健対策シリーズ
<342>
 
特定健診・特定保健指導をふりかえって
 

【東成瀬村民生課】 

 東成瀬村は人口2852人、世帯数899世帯、高齢化率33.06%、国保加入率33.7%の雪と緑と清流の村です。元気で長生きする村づくりをめざし、各種事業を展開しておりますが、平成20年度に特定健診受診率が82.1%で日本一となりました。今回は過去3年の特定健診・特定保健指導の内容などを紹介します。
 
住民の組織力に支えられた受診率

 当村は、特定健診のみならず、過去の基本健診やがん検診も受診率が比較的高い値となっています。その要因として考えられるのは、住民の組織力がしっかりしているため、きめ細かな住民把握や周知が出来ること、各種検診をまとめて早朝におこなっているため受診しやすい環境であること、検診前に説明会をおこない4割弱の世帯からの参加があり、検診内容などを直接情報提供できること、などと考えております。しかし、受診率をみると残念ながら、後期高齢者健診に移行する年代の受診が多いこともあり、年々減少しておりますが、計画の目標値である65%は下回らないよう努力していきたいと考えております。
 
運動を重視した保健指導

 対象者の動向について、内臓脂肪症候群該当者数及び予備群者は減っている傾向にあります。しかし、健診受診者数自体が減少しており、本当に特定保健指導の効果によるものといえない状況です。ただ、毎年対象となっている方もおり、指導の方法がマンネリ化しているのではと思いながら向き合っています。勤めている方と直接話すため、日曜日に指導日を計画したり、健康運動士を交えた指導をしたり、食事調査をしたりしておりますが、今年度は新たに特定保健指導の対象者に2ヶ月間に週2回のペースで保健指導をおこなう「筋力アップ教室」を導入しました。この教室は、なかなか毎年特定保健指導の対象から外れず、自分自身の力では結果を出せずにいる村民を対象に、初回面接でこの教室の説明をおこない参加を促しました。今年度は7人の参加希望があり、8月からスタートしております。平成22年度に村では村民体育館の建設と同時に運動機具を買いそろえ、幅広い年代が年間を通して、運動できるようトレーニングルームを整備しております。
 
健康への意識向上を目指して

 メタボ事業を実施して思うことは、まずは健診を受けてもらうことがこの事業の第一歩ということです。また、保健指導で私たちを悩ませているのが、50・60代の男性で勤務の帰りが遅いために夕食時間が遅く、毎晩2合以上の飲酒が何よりの楽しみだという方々の健康への意識付けが大きな課題と考えています。しかし、これも面接できる場面をつくれるかが第一歩です。これからも事業受診者を一人でも増やすことで、村民の健康への意識が少しでも高まるよう努力していきたいと考えています。




保険者紹介 八峰町

保険者紹介


【白瀑神社例大祭】
 毎年8月1日に行われている白瀑神社例大祭。男衆が神輿をかつぎながら地域を巡廻し、神社に戻ってきた際に神輿が滝浴びします。


町民の健康増進普及に向けて

 八峰町では、平成23年度におけるメタボ予防や生活習慣病などの発症予防のため、運動普及継続を目的として「八峰町シェイプアップ運動教室」を実施します。
 この事業は、秋田県国民健康保険団体連合会と共同で実施します。対象者は特定健康診査を受診した方・これから受診する方とし、33名の申込みがありました。9月8日から開始し、月2回の教室を来年2月まで行います。内容は体操の基礎指導・エアロビクス・筋力トレーニングなどです。正しい運動の実施方法を知り、楽しみながら継続することを目的としています。運動のみのプログラムではなく、運動の効果をみるために、血液検査・体脂肪率・内臓脂肪・筋肉量・推定骨量・基礎代謝量などを定期的に測定します。
 今後、健康増進普及に向けた活動をさらに進めていきたいと考えています。









国保主管課長より一言
町民生活課長  金平 公明

 
 最近、国民健康保険財政の厳しい運営を強いられている市町村が全国的にみても大変多いようです。少子高齢化、医療費の増大、不景気による保険料・税収の低下などの原因はさまざまですが、市町村独自の財政運営では、すでに限界の市町村も多いと思います。以前より国民健康保険東北大会において掲げております、健康保険の一本化や、広域連合または県単位での保険者の統合が急務であります。県の指導だけ、市町村の判断だけでは到底成しえない課題であります。国民健康保険の根底にあります相互扶助の精神で、市町村の枠を超えた協力体制が今こそ必要なのではないでしょうか。







       
がん対策特集「がんについて知ろう」
第3回 生活環境の欧米化とともに増えているがん        〜前立腺がん〜
 



 日本人の死因の第1位はがんで、一生のうち、2人に1人が発症しているといわれています。ご存じのとおり、秋田県はがんによる粗死亡率が平成9年以来、全国で最も高くなっています。がんは早期に発見できれば、治癒率は高くなります。早期発見・早期治療のためには、定期的に検診を受けることが大切です。
 このコーナーでは、各部位に発症するがんについて、それぞれ専門医より早期発見・早期治療につながる情報を紹介していきます。

〜早期に前立腺がんを発見するには検診がもっとも効果的です〜

早期発見ができるがん
 約10年前、天皇陛下が前立腺がんと告知され手術治療に至りマスコミを大いに騒がしました。また、最近ではお笑いタレントの間 寛平さんがアースマラソンの途中で前立腺がんと判明し、放射線治療を受けたことも記憶に新しいところです。前立腺がんは下の図のように近年急激に増加傾向にあります。50歳頃から症状が出現することもありますが、発症のピークは70歳くらいで1000人に1人、80歳以上では500人に1人が前立腺がんになります。しかし、他のがんに比べ早期発見が比較的容易であり、検診の果たす役割は重要です。
 前立腺がんは早期に発見できれば手術や放射線治療で完治できますが、進行してしまうと当然ながらリンパ節や骨に転移し完治は困難です。それだけに早期発見の意味は重要です。
※図は本紙参照


現れる症状は
 早期の前立腺がんは「限局がん」ともよばれ特徴的な症状はありません。しかし、前立腺肥大症を合併していると、頻尿・残尿感・排尿困難などの症状が出てきます。がんが進行すると、前立腺からはみ出す「局所進行がん」として尿道を圧迫し、血尿が出現したり、最悪の場合尿が出せなくなります。さらに進行すると、リンパ節に転移し足がむくんだり骨の痛みが出たり、時には脊髄を圧迫し両足が麻痺して動かなくなったりします。


前立腺がん検査の“3種の神器”
 前立腺がんは比較的身体に負担のかからない検査で発見することができます。まず問診から始まりますが、血液検査のPSA測定、実際に前立腺に触れてみる直腸診、そして「エコー」とよばれる超音波検査が“3種の神器”とよばれるスクリーニング検査の基本となっています。検査で前立腺がんが疑われる場合は針生検で直接細胞を調べます。がんであることが判明すると、進行の程度を調べるために磁気を用いた対内検査(MRI)や骨への転移を確認する検査(骨シンチグラフィー)などが行われます。


〜PSAほど検診に役立っている検査はない〜

最も重要な指標としてのPSA
 PSAとは前立腺特異抗原の略称で、前立腺で作られる物質です。健康な人でも血液中に少量ながら含まれており、前立腺がんに特有ですが、前立腺肥大症や前立腺炎になっても値が上がります。血液を検査するだけである程度の診断がつくことから、簡便かつ身体に負担の少ない検査法として検診で広く導入されるようになりました。一般的に「4未満ならば正常」で、「4以上10未満であればがんの疑いあり」、「10以上ならがんの疑いがきわめて強い」と考えられています。4以上10未満の場合を「グレーゾーン」とよばれ、早期がんが20%から30%の割合で検出されています。加齢とともに4以下の場合でも少なくとも1回/年の割合でPSAを定期的に検査することが重要です。


進化する前立腺がんの治療法
 下の表をご覧ください。
 病期Aは「偶発がん」、病期Bは「限局がん」、病期Cは「局所進行がん」、病期Dは「転移がん」と呼ばれていますが、がんの進行具合と悪性度、そして患者さんの希望などが考慮されて治療が選択されます。
 早期のがんであれば主に手術により前立腺の摘出が行われますが、放射線治療(外照射法や小さな放射線源を患部に埋め込む小線源療法)も同等に評価されています。進行がんになると内分泌療法が主体となり、男性ホルモンを低下させる薬剤が汎用されています。また、新しい抗がん剤での化学治療も可能となり、前立腺がんの治療法は一段と進化しています。
※表は本紙参照



プロフィール

 市立秋田総合病院 副院長 松尾 重樹(まつお・しげき)

 昭和51年に秋田大学医学部を卒業後、同大学医学部泌尿器科へ入局する。その後、国立水戸病院、国立仙台病院、秋田大学医学部にて泌尿器科医員として勤務する。58年に市立秋田総合病院泌尿器科に赴任し、同病院泌尿器科医長、臨床検査科兼臨床病理科科長、泌尿器科科長、外科診療部長を歴任し、平成23年に同病院副院長に就任し、現在に至る。また、趣味の音楽関係では秋田室内合奏団団長を務め、平成19年からは秋田県管弦楽連盟理事長を務める。









秋田県国民健康保険団体連合会