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「秋田のこくほ」 (2012年04月)

表紙
<表紙>

目次


森吉山・山人平/北秋田市
CONTENTS

  保険者紹介 北秋田市
   (保健対策シリーズNo.344)

  がん対策特集「がんについて知ろう」
  第4回 日本人がかかりやすいがん 〜胃がん〜         
  秋田赤十字病院 院長 小棚木  均



  カラダよろこぶ!旬の食材 (社)秋田県栄養士会
  今月の食材「ふき」 


  連合会のうごき


  連合会の日誌から

保健対策シリーズ
<344>
 
地域で支える人材育成をめざして
 

【北秋田市】 


 
地域で支える人材育成をめざして

 現在、北秋田市では人口減少が進む一方で、高齢者人口は増加傾向が進み、35.7%の高齢化率に達しています(平成23年9月)。みんなで支え合うぬくもりのあるまちづくりを目指し、介護予防事業として地域で支えるための人材育成事業を紹介します。
 
<介護予防ボランティア養成講座>

 平成19年度から介護予防ボランティアの養成講座をはじめ、今では60名が修了し、現在は半数近くのボランティアが高齢者の運動教室や集落での健康相談、サロンなどで活動しています。
 養成講座は、(1)高齢者の特性と市の介護予防事業について知る、(2)災害時高齢者生活支援講習(日赤秋田支部)、(3)グループワーク、(4)体操実技、(5)地域福祉活動についての講話の全5回を実施しました。
 「地域で出来る介護予防活動を考える〜私たちの住んでいる地域の高齢者をもっと元気にしよう大作戦〜」をテーマに23年度は初めてグループワークを実施しました。高齢者の特性を学んだ上で、思い思いに高齢者の元気な姿をイメージし、その姿になるために自分たちで出来る教室を既存事業にこだわらず、豊かな発想で考えました。「自信がなかったが、自分の考えを言葉にできた」「いろんなアイデアも人数が集まれば多くなり楽しかった」などの感想が聞かれました。


グループワークの一場面


 
地域を支える一員へ

 ボランティアの多くは70代前半の方で、老いを感じながらも自分たちの住む地域ではサロンの世話人をしたり、地域活動を担う一員として期待されています。今後は、ボランティア同士の情報交換の場も設けてほしいと要望もありました。地域の介護予防活動だけではなく、自主防災組織等でも地域を支える人材育成を今後も続けていきたいと思います。


のびのび運動教室交流会





保険者紹介 杜と祀りの郷 北秋田市

保険者紹介


【森吉山・山人平(やまびとだいら)】
 標高は約1300mで、天空のお花畑は6月が見頃です。阿仁スキー場のゴンドラも運行しています。


 北秋田市は、平成17年3月に鷹巣町・合川町・森吉町・阿仁町が合併し誕生しました。秋田県の北部中央に位置し、面積は秋田県の約1割を占めています。市の中央には県立自然公園森吉山が勇壮にそびえ、山麓を中心にクマゲラの棲むブナの原生林や多数の瀑布が散在し、優れた自然景観や山岳渓流に恵まれています。その他、直径4メートルに迫る世界一の綴子大太鼓、広大な緑の大地と溶け合う北欧の杜公園、熊の狩猟で知られる阿仁マタギなどがあります。


国保の取り組み

 市において被保険者数は減少傾向にありますが、一人当たりの医療費は、ほぼ横ばいで推移しており、医療費抑制に向けた取り組みが課題となっております。
 健康増進事業としての市民プール等利用や若年者の健康診査(ドック等)、季節性・新型問わずインフルエンザの予防接種、重症化防止のために肺炎球菌ワクチン接種などに対する助成を行っています。また、市内各所の自然を楽しみながら歩く年4回の市民ウォーク、メタボ予防・子供の食育・減塩など各種テーマに沿った料理教室を実施しています。加えて、それらの取り組みを総合的に紹介、実践し、ラジオ体操100日運動の達成など、自主的な健康づくりを進めている個人、団体を表彰する健康フェスタを年1回開催しています。
 それらの中で後発医薬品の利用を呼び掛けるなど、疾病予防、適正受診の取り組みを進め、医療費の適正化に努めていくものであります。









保険者紹介 業務風景
保険者紹介 健康・スポーツフェスタ2011




国保主管課長より一言
市民課長 宮野悦朗

 保険税率改訂

 国保の財政運営については、どこの市町村も大変苦労している。財政が厳しいからといって簡単に保険税を値上げするわけにいかない事情がある。
 当市では、平成18年度に国保税の統一を図っているが、当時の国保運営協議会の議事録を見ると、喧々諤々の議論をしている。
 事務局が示した12通りの試算表を基に議論を重ね、税率を低くし、当時4億円計上していた繰越金を、年間1億円づつ縮小する案で運営協議会の了承を得ている。
 試算では、22・23年頃税率改訂が必要と見込んでいたが、22年度決算で3億円の繰越金を計上することができた。要因は、20年度から後期高齢者医療制度が発足したことによる影響が大きいと考えているが、嬉しい誤算となった。この誤算がしばらく続くことを願っている。








       
がん対策特集「がんについて知ろう」
第4回 日本人がかかりやすいがん 〜胃がん〜
 



 日本人の死因の第1位はがんで、一生のうち、2人に1人が発症していると言われています。ご存じのとおり、秋田県はがんによる粗死亡率が平成9年以来、全国で最も高くなっています。がんは早期に発見できれば、治癒率は高くなります。早期発見・早期治療のためには、定期的に検診を受けることが大切です。
 このコーナーでは、各部位に発症するがんについて、それぞれ専門医より早期発見・早期治療につながる情報を紹介していきます。


年と共に高まる危険性
 胃癌に罹る人は全国で年間約11万人ですが、男性が8万人、女性が3万人と圧倒的に男性に多いです。秋田県では地域がん登録が開始されましたが、この内、胃癌は2006年1491人、2007年1439人、2008年1393人、2009年1636人でした。がん拠点病院である秋田赤十字病院で1994年から昨年12月までに手術された胃癌患者は1607人で、年齢は24歳から93歳でした。1994年からの9年間を前期、その後の9年間を後期として比較すると、前期は728人、後期は879人であり、種々の要因はあるものの未だに増加しています。各年代の患者数を図1に示します。前期は60歳代がピークでしたが、後期は70歳代がピークになり、80歳以降の増加も顕著でした。年と共に胃癌の危険性は高くなると言えます。

※図1は本紙参照


遺伝子が傷つくことで発症する胃がん
 原因は不明ですが、胃粘膜細胞の遺伝子が種々の要因で傷つき、その積み重ねで癌になると考えられています。遺伝子を傷つける要因として、胃内のピロリ菌感染や、焼け焦げた物、アルコール、わらび(山菜)などの摂取、煙草等が挙げられています。しかし、その1つだけで癌になることはなく、胃癌を恐れて過度の食事制限をする必要はありません。


定期検診で発見されるようになってきたがん
 秋田赤十字病院の例でみると、症状がなく検診や胃疾患の定期検査中に発見された例が前期も後期も1/3でした(図2)。ただ、その無症状例をみると後期では検診例が減少し、定期検診例が増えていました。地域や職場の検診ではなく、症状がなくとも自らすすんで医療機関を受診して胃癌が見つかるようになったと推測されます。一方、症状がある人では腹痛が最も多く、次いで、つっかえ感・嘔吐、腹が張る等でした。後期で腹痛の割合が減少していますが、痛みとして感じる前の段階で発見されていると考えられます。なお、胃癌はその進み具合によって早期癌と進行癌に分けられますが(図3)、早期癌では、症状がなくて検診や定期検査で発見される例が3/4を占めましたが、進行癌では3/4が症状を有していました。症状がなくとも医療機関を年1回受診して検査するのが現時点では最良と思われます。

※図2、3は本紙参照


胃がんの検査方法
 胃癌の有無を直接検査する方法として、バリウムを用いた胃透視と胃内視鏡検査があります。現在は内視鏡検査が主流になっていますが、図3に示したスキルス胃癌はバリウム検査の方が判りやすいこともあり、医師と相談して決定すべきでしょう。なお、胃癌の有無を始めからCT検査やMRI検査、PET検査で行うことはなく、行ったとしても早期がんは判りませんので、前記の2つのどちらかで検査して下さい。

※図3は本紙参照



プロフィール


 秋田赤十字病院 院長 小棚木 均(こたなぎ・ひとし)


 昭和29年秋田県生まれ。昭和47年に横手高校を卒業し、秋田大学医学部に入学。昭和53年に卒業後、同大第一外科に入局。公立横手病院や仙台オープン病院で研修し、昭和60年に医学博士。昭和62年から秋田大学医学部助手。昭和63年に米国クリーブランド・クリニック大腸外科に留学。平成8年に秋田大学医学部講師、平成12年に助教授。平成15年に秋田赤十字病院第一外科部長として赴任。平成23年に副院長。平成24年から院長に就任する。










秋田県国民健康保険団体連合会